「GK版 EF-2000 タイフーン」 製作記 その2 < 2009.07.16 >
パーツ整形作業が終わっての次なる工程は、
「せっかくA-LOCKを仕込んで動かすのに、製品に付いてなくて寂しい限り・・・」な
オプション手首パーツの自作に挑戦。
製品に付属するのは、
右手が、縦にしたMk-57中隊支援砲を支える手
左手が、握り手のみ
なので、最低限以下の3種は欲しいところ。
・ハルバードを構えた右手
・突撃砲を構えた右手
・開いた左手
Mk-57中隊支援砲を構える為の右手や、ハルバードを構えた左手
は、”出来れば欲しい”程度なので、余裕があれば作りたいなと。
(ハルバードという武器には”二刀流”ってイメージがあまり無いんですよね。
タイフーンのハルバードは片手でも十分使える武器になってるみたいですが)
必要な作業としては、
エポパテで自作したパーツを、強度確保の為にレジンで複製
といったところ。
何かのパーツを自作するのは初めてな上にレジン複製も初めてなので、
プランを立てて作業を進めました。
(基本的に”いきあたりばったり”な男なので、我ながら珍しい事です・・・)
ではそろそろ、奮戦の模様をお伝えします。
<@ 自作する手の基となる部分を、製品付属パーツからエポパテで複製>
タイフーンの手の甲には円状のモールドがあって、パーツ自作初心者&それなりに不器用な私が
イチから自作するのは難しいので、右手も左手も基となる部分は付属パーツから
複製する事に。
同様に、
イチから作るのが(少なくとも私には)困難なハルバードの柄、突撃砲のグリップも製品から複製し、
(それぞれブレードマウント、ガンマウントに担架されてるモノから複製)
指節部分も製品付属の右手から複製して、手間を軽減。
パーツの複製には、「型想い」という型取りツールを使用してみました。
「型想い」は、熱すると柔らかくなって、冷やしてやると元の硬さに戻るので、
熱湯で柔らかくした後、複製したいモノに押し当てたまま水にさらして冷やしてやる事で
パーツの型を取る事が出来るというツール。
(シリコンを使った複製には精度の面で劣るので、複雑な形状のパーツの複製には
向かないみたいです)
使うのは当然今回が初めてなので、どの程度写し取れるのか若干不安でしたが、
手の甲のモールドも残ってるし、なかなかいい感じに型が取れました。
同じ様に作成した型枠に、エポパテを詰めていきます。
で、複製してみたのがこちら。
(左の握りこぶしパーツも複製してるんですが、撮り忘れてました・・・)
ハルバードの柄は、右手に握らせた後でレジンで複製したハルバードとドッキングさせるので、こんな形に。
指は左手にも流用するので、もう1コ複製。節毎に切り離して、握り手と開き手に仕上げます。
パーツが揃ったので作成開始。
お手本はもちろん、「ホビージャパン」のタイフーン作例画像です。
指節を一個ずつ切り離しては、エポパテで繋いで乾かして・・・
指を切り離す時にパーツを飛ばして失くしてしまって、小指はイチから作って乾かしてから形状を整えて・・・
とかやってたので、遅々として作業が進まず。
(エポパテはタミヤの速乾性のを使ってるんですが、完全に乾くのに半日ぐらいかかるんですよね)
で、途中何度も挫けそうになりながらも、出来上がったのがこちら。
(色々と汚いパーツですが、どうか見逃してください・・・レジンに置き換えたらもう少し見れるモノになる・・・筈)
平日や土・日の空いた時間にチマチマと作業してたんですが、結局2週間ぐらいかかってしまいました。
(指節については、切断時に欠けてしまったモノはイチから作ったりも・・・
なので、「型想い」で複製した箇所とイチから作った箇所がどこなのか自分でももうワカリマセン)
製品の手首と比較すると、こんな感じです。
左画像、左手の親指付け根を見て貰うと分かるんですが、製品の右手には本来ある筈の丸モールドが付いてないんですよね。
(ホビージャパン作例画像等でも、丸モールドは右手にもちゃんと存在してるので、これは原型師さんの付け忘れ?)
製品のモノに比べるとカッチリ感とか全然ありませんが、
まぁ、ずぶの素人が作ったにしては、”でっち上げた”と言っても許して貰えるレベルには出来たんじゃないかと。
突撃砲の握り部分も同じ様に自作しようと思ってるんですが、
もう一度同じ手順を繰り返すのが今はツライので、後回しにします。
(多分、本体塗装が終わった後あたりになるんじゃないかと・・・)
さ〜て、次はいよいよレジン複製ですっ!
<A 複製したエポパテ製パーツと、ハルバード持ち手に必要な製品パーツをレジンで複製>
初めてのレジン複製に必要なモノは、
模型関係のネットSHOP「Be-J」にちょうどいいセットがあったので、
そちらを入手して手っ取り早く揃えちゃいました。
その名も「Be-J 型取りはじめてセット」
(既に使用後の写真なので、色々と開いてたり、くたびれたりしてますが、ご容赦を)
名前の通り、セットにはレジン複製に必要なものがほぼ一通り揃ってるので、
(足りないのは、はかりと紙コップぐらい)
私のような”めんどくさがりな複製初心者”には、正にうってつけの商品なんですよね。
さてさて、
レジン複製の手順を知らない方は、各自検索エンジンで調べてもらうとして、
(手抜きっぽくてスイマセン。初体験の私がHow toを書いても、経験者の方が見たらツッコミ疲れる様な
モノしか書けないので・・・)
早速、シリコン型の作成に取り掛かります。
自作したパーツ以外に複製で作りたいパーツは、コチラ。
・ブレードマウント × 1 (突撃前衛長の機体なので、なんだかんだでブレードマウントを2つ装備したい)
・ブレードマウント(空) × 1 (手にハルバードを持った時用に。両手にハルバードを持つ姿にはしないので、ひとつで十分かなと)
・ハルバード × 1
オプション手首複製のついでにブレードマウントも複製出来ちゃうので、やっちゃいます。
まず、ブロックで囲った油粘土に複製したいパーツを配置して、プラ棒でレジンの注ぎ口や通り道、空気穴を作成。
(油粘土のニオイが懐かしいです)
レジン複製についてネットで色々勉強した結果、アンダーゲート方式というのが、
一番無難そうだったので、その方式に沿ったカタチにパーツ等を配置してます。
ハルバード持ち手の親指部分は、そのままだと形状的にシリコン型の作成が難しい様に思えたので、
(気になる方は、「逆テーパー」でググってみて下さい)
一旦切り離してます。
沢山あるダボ穴は、シリコン型を2つ合わせる時の位置ズレ防止用に必要との事。
(どれぐらい必要か見当つかないので、思う存分作ってます)
で、硬化剤を混ぜたシリコンを流し込んで、
エアブラシでエアーを噴いてシリコンに混入した空気をある程度飛ばしてから、
シリコンが固まるまで放置。
シリコンに硬化剤を適切な比率で混ぜれば12時間ほどで固まるみたいなんですが、
初心者ゆえに不安になってしまう時間をプラスして、24時間ほど放置する事に。
(いくらなんでもビクビクし過ぎかもしれませんが・・・)
シリコンが固まったので、周囲のブロックを外して
ひっくり返して、パーツがシリコンから外れてしまわないように注意しながら
油粘土を取り除いてみます。
(かなりドキドキ)
(結構スンナリ外せました♪)
パーツに付着してる油粘土を取り除いたら、シリコン型の片面完成。
もう一度ブロックで囲って、これから注ぐシリコンが、既に出来てるシリコン型とくっついてしまわない様に、
シリコン接着防止剤(「リンレイ ブルーワックス」というのを使用)を、パーツにつかない様に注意しながらシリコン型に塗布。
(シリコンの色がオレンジっぽくなってるのが、お分かり頂けるかと)
もう一度硬化剤を入れたシリコンを流して・・・・・・・・・あ、あれ?!まだ硬化剤混ぜてから10分ぐらいしか経ってないのに、
なぜかシリコンが若干固まってきてるっ?!
(普通なら20分ぐらい大丈夫な筈なんですが、どうも硬化剤の計量に失敗してた模様)
と、1回目と寸分違わぬやり方だった(・・・と本人は思ってます)にも係わらずトラブルに見舞われてしまいましたが、
とりあえず、若干固まり気味のシリコンをそのまま流して硬化を待ってみることに。
硬化後、失敗覚悟でシリコンを割ってみたワケですが・・・
こちらが失敗覚悟だった方。幸い特に問題ない様です。
(裏面はかなりボコボコしてますが・・・)
で、こちらが最初に作った方。
上画像の右側からレジンを流すと、左側へ空気穴を求めてレジンが流れていく様に作ったワケですが、
このままだと、レジンの通り道が繋がっていない部分があるので、デザインナイフや彫刻刀で道を繋げます。
繋げ終わったら
(繋げた後の画像は撮り忘れました、スイマセン)
型を合わせて、隙間やズレの防止用に輪ゴムで締めて・・・シリコン型の完成っ!
いよいよ、レジン注入です。
(パーツ自作開始からここまで1ヶ月弱。長かった・・・)
使用したレジンは、ノンキシレンタイプで、色はアイボリー。
色はグレーとかの方が複製後のパーツチェックとかやり易いんでしょうけど、
(画像もアイボリーだと、分かりづらいですよね)
あいにくセットのはアイボリー一択なので・・・
レジンのA液とB液を混ぜ合わせたら、早速注ぎ口から真鍮線を伝わせてレジンを注入っ!
(シリコンと違って、混ぜた後は5分程度であっという間に硬化し始めるそうなので、
グズグズ出来ません)
そして、惨劇・・・
色々始末した後で何が起きたか分かり辛いですが、
(のんびり惨劇の写真を撮ってられなかったので・・・)
輪ゴムの締め付けが弱かったらしく、シリコン型の下側からレジンがどんどん漏れちゃったの図、です。
とりあえずアクシデントはあったものの、
ちゃんと3つの空気穴からレジンが浮いてきたので、レジン注入自体は成功してるみたいです。
おそるおそる、初めてのレジン複製の結果を確かめてみる事に。
ハルバードの刃に何箇所かの気泡 分かり辛いですが、人差し指が欠けてます
こちらは薬指と小指の先端欠け ブレードマウントも欠けちゃってます
ところどころ気泡が出来てしまってたり、レジンが行き届いてない箇所があったりと問題もありますが、
左側の3つの空気穴までレジンが上がってきてるし、レジンの通り道に問題はない模様。
裏面を確かめるべくパーツを外してみると、そこには「バリ」と呼ぶには大きすぎるほどレジンがはみ出しまくった後が・・・
・・・裏面の画像撮り忘れました。
(色々初作業という事もあって、ドタバタしっ放しだったので・・・)
一度流してみて(初心者なりに)わかったシリコン型の問題点
(気泡が出来てしまったり、レジンが届かず欠けてしまってる部分に空気の逃げ道を作る)
の改善を試みて
(ここら辺の画像もナゼ無いんでしょうネ・・・・)
レジン注入時の漏れを解消すべく改良を施した姿がコチラ。
「万力」があれば最良なんですが、そんな便利ツールは持ってないので、
ダンボールで厚みを増して、輪ゴムの締め付けがキツクなる様にしてみました。
で、レジン注入を4回やってみた結果、
(結局、レジン漏れ問題はあまり解消出来ず・・・)
完璧に満足のいくパーツを作り出すのは、やはり初心者には無理だなぁと思えたので、
4回の中から使えそうなパーツを選別する事にしました。
まずブレードマウント。
必要なのは、ブレードマウント×1、ブレードマウンド(空)×1、右手に持たせる為のハルバード×1
です。
(2回目は写すにはしのびない出来でした)
ブレードマウントとして使うのは、一番出来がよかった3回目。
ブレードマウント(空)には、ハルバード部分は散々だけど、マウント部分はそんなに問題無い4回目。
右手に持たせるハルバード用には、1回目のを選択。刃の部分に気泡がありますが、気泡は内部のみで表面は問題ないし、
強度的にもそんなに問題にならない様に思えたので。
どれも少し欠けてしまってる部分があるので、エポパテで補います。
続いて、ブレードマウントの接続パーツ。2コ必要です。
上側のパーツは不思議と何度やっても上手くできたので、迷うことも特になく。
下側のパーツは、シリコン型作成時のパーツの置き方に問題があって、何度やっても上手く出来なかったので、
(接続軸部分にレジンが届かない)
いくらかまともな1回目と3回目のを選択。
軸は2.5mmの真鍮線にでも置き換えます。
手首パーツは左右どちらも、結局1回目を上回るモノが出来ないという情けない結果に。
しょうがないので、欠けてる部分はエポパテで補完する事に。
<B 複製したブレードマウントから、ハルバードを一振り作成 & エポパテ補修>
Aで、ハルバード持ち手用に選別したブレードマウントの不要な部分を
模型用の薄刃ノコギリ等で切除して、マウントされてないハルバードを作り出します。
マウントパーツを除去して、形を整えたところ。複製時に欠けてしまった部分もエポパテで補修します。
(なんかボケてしまいました・・・スイマセン)
設定画を見てみると、マウントに隠れていた部分にモールドがあるので、それを再現。
(画像赤丸、●3つの部分に円形の凹モールドを1.5mmのドリルで追加します)
もう片面にも同じように追加してます。
そして、別のブレードマウントから今度はハルバード部分を除去して、ブレードマウント(空)を作成。
ハルバード部分はデザインナイフを駆使して取り除いてみたものの、このままだとハルバードを固定してたパーツが開いちゃってるんですよね・・・
どうにかして、ここを閉じたいところです。
パーツを見ると「ここが可動して閉じるんだろうなぁ」と分かるんですが、
それを私の技術でこのパーツから”閉じた状態”にするのがちょっと難しい・・・。
仕方がないので、
(アバウト機能発動)
とりあえずこのパーツはこのまま、という事に。
(『A3』のタイフーンが発売されたら、製品パーツの複製してちゃんとした状態にしようかと)
手首パーツにエポパテで足りない部分を付け足したので、ハルバードと右手を繋げます。
<C ハルバードと自作した右手をドッキング>
ハルバード、親指をくっ付けた右手をそれぞれ画像赤線で分割し、1.5mmの真鍮線で繋げます。
ハルバードを構えた右手、完成っ!
(前腕との接続方法は保留です)
これで、ようやく今回作りたかったパーツが揃いました。
<製作記 その2>はこんなところで。
初めてのパーツ自作、そして初めてのレジン複製だったワケですが、
いや〜、なんだかんだで楽しかったです。良い経験が出来ました。
(今回複製したパーツ以上に形状が複雑な突撃砲を複製するのは、
ちょっと気が重いですが・・・)
上手く複製出来なかった箇所もありますが、
思っていたよりは良い結果が得られたと思います。
さて、
ようやくパーツが揃ったので、次回はいよいよ塗装工程に入ります。
まずは、サフ吹きからですね。
細かいモールドの多い製品だけに、それを台無しにしてまわない様に気をつけないと・・・
To be continued
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